胸郭は心臓や肺などの重要な臓器を保護する役割を持つ、身体の中央に位置するカゴ状の骨格です🦴
胸郭には大胸筋や広背筋、腹筋などといったボディメイクにおいて重要な筋肉が多数付着しているため、胸郭のコントロールや可動性を向上させる事はボディメイクや運動のパフォーマンス向上に大きく貢献します。
例として「背中を寄せる」「胸を開く」「腹筋を締める」などの動きは、胸郭の可動性が少なからず関わってくる動きとなってきます。

そもそも胸郭のコントロールってどういう事?出来るものなの?という話ですが…🤔
普段私たちが行っている呼吸は、胸郭に付着する筋肉の働きによって肺が膨らんだり縮んだりすることで行われています。
より厳密に言うと、肋骨を開いたり、締めたりすることで胸郭の拡張と収縮を行っています。

つまり意識的に呼吸を行う=胸郭のコントロールを行うということになりますから、そんなに胸郭のコントロールというのは無理な話ではないのです。
ここで難しいのは、呼吸を行う際に使われる筋肉を分離して別々に意識することが出来るかという点になります💡
呼吸に関わる筋肉の中でも代表的なものが横隔膜外肋間筋です。

横隔膜は胸郭の底面に付着する筋肉で、この筋肉の収縮によって呼吸することを腹式呼吸と呼びます。
一方で外肋間筋は肋骨の間にある筋肉で、この筋肉の収縮によって呼吸することを胸式呼吸と呼びます。
実際には私たちはこれらを併用して呼吸を行っていますが、性差や生活習慣などによって一方の呼吸に偏っているケースも少なくはありません😵
これらの筋肉を別々に意識して、互いをバランス良く使える様に鍛える事で胸郭や呼吸のコントロールを向上させることが出来ます。

また無意識の呼吸の場合、息を吸うときには前述の筋肉を使いますが、吐くときにはそれらを弛緩させるだけですのでいずれの筋肉も働いていません。
これに対し、意識的に息を吐くときには腹横筋内肋間筋といった筋肉が横隔膜・外肋間筋と対を成す形で働きます。
中でも腹横筋は腹筋の深層部に位置する筋肉で、運動時に体幹を安定させる重要な役割を担っています🧐
デッドリフトやスクワット等の腹圧を必要とする種目にも大きく関わってくる筋肉となりますので、率先して意識していきましょう。

具体的な胸郭のトレーニング方法について

腹式呼吸(横隔膜)の鍛え方
①膝を立てて仰向けになり、お腹に手を当てる
②ゆっくり大きく鼻から息を吸って、お腹を膨らませる
③口をすぼめて、ゆっくり大きく口から息を吐き、お腹をへこます
※お腹の上に本や、メディシンボール等の重りを置くとより効果的
胸式呼吸(外肋間筋)の鍛え方
①膝を立てて仰向けになり、みぞおち横の肋骨に手を当てる
②ゆっくり大きく鼻から息を吸って、胸郭を開く
③口をすぼめて、ゆっくり大きく口から息を吐き、胸郭を狭める

慣れて来たら腹式呼吸と胸式呼吸の両方を意識して、同様に実施してみましょう🙆‍♀️
また、息を吐く時に口をすぼめて抵抗を加える事で、腹横筋や内肋間筋をより効果的に刺激することが出来ます。

これはとは別に、寝ずに立位で行える鍛え方もあるので紹介します。

立位での横隔膜(又は外肋間筋)の鍛え方

①ゆっくり大きく息を吸って、お腹(又は胸郭)を拡張する
②お腹(又は胸郭)の拡張を維持したまま、スムーズにゆっくりと息を吐く
③息を吐ききっても、出来る限りお腹(又は胸郭)の拡張を維持する

これはボイストレーニングなどで用いられる横隔膜の鍛え方になります。
非常に効果的ですので、胸郭を意識することで外肋間筋にも応用して活用してみると良いでしょう👏

胸囲のサイズアップにも有効!胸郭のストレッチについて

ところで筋力トレーニングに励む男性ならば、一度は広い胸板や分厚い背中には誰しも憧れるものですよね💪
実は胸郭にフォーカスしたストレッチやトレーニングの実施は、胸囲の増加にも貢献するという報告があります。
これは各筋肉の付着部である胸郭を拡張する事で、胸囲を土台から増加させるという考え方に則ったものです。
この理論は、かの有名なアーノルドシュワルツネガーが提唱したとされています🏋️‍♂️
20歳前後の男性においては、半年ほどの胸郭トレーニングの実施により胸囲が10cm程度増加したとも言われているほどです。

具体的な方法としてはまず、脈拍が上昇し息が上がるような種目を最初に行います。
そしてそのまま間髪を置かずに、胸郭を広げる作用のあるプルオーバー系種目を行うというもの。
種目は何でも良いのですが、その中でも今回は一番メジャーとされている2種目の組み合わせをご紹介致します👓

【1種目目】ブリージングスクワット
①背すじを伸ばし顔は正面に向け、しゃがむ前に最大限肺に息を吸い込む
②息を止めたまま、膝がつま先より前に出ないようにできるだけ深くしゃがむ
③息を止めたまま立ち上がり、最初の体勢に戻ってから息を吐く
※息を上げることが目的の為、脚幅などは実施しやすい幅で行う
【2種目目】ダンベルプルオーバー
①ダンベルを両手で持ち胸の上で構え、最大限に肺に息を吸い込む
②息を止めたまま大きく頭上にダンベルを肘を曲げながら降ろしていき、胸郭を伸ばす
③ダンベルを元の位置に戻してから息を吐く

また、各種目とも20回程度の反復が行える軽めの重量設定で行うようにして下さい🔍


普段のトレーニングではなかなか意識することのない胸郭。
「押すときは息を吐く」などの動作の際に今回の内容について少し意識をしてみると、普段とまた違った体感が得られるかもしれません。
是非今回ご紹介したトレーニングを試してみて下さい!✨

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