【GI値】というものをご存知でしょうか?
ダイエットについて調べたことがある方なら一度は目にするであろうGI値という言葉。
そんな方なら「GI値が高いと太りやすい、低いと太りにくい」という大まかな概要はなんとなく知っているのではないでしょうか?
しかしながらその反面、「結局のところGI値って何なの?」「なんでGI値が高いと太るの?」という疑問を抱いたままの方も多いかと思います。
何においてもそれが一体何なのか、正体のわからないモノを頼りにするのは少し不安に感じてしまうものですよね。
そこで今回はGI値とは何か、そしてそれが身体にどのような変化を及ぼすのかを説明していきます!
GI値とは
GI値とはその食品が身体に吸収された時に、どれくらい血糖値を上昇させるかを示した数値です。
食品に含まれる炭水化物は一部体内で分解されると【ブドウ糖】として血液中に吸収されますが、その際に一時的に血液内における糖の濃度(血糖値)が上昇します。
ブドウ糖を直接50g摂取した時の血糖値の上昇度合いを100とし、それと各食品の炭水化物量が50gになるように摂取した時と比較する形でGI値は算出されています。
インスリンとブドウ糖
このブドウ糖ですが、血液中に吸収された後に【インスリン】というホルモンの働きにより身体中にエネルギーとして送り出されます。
また、その際に余ったブドウ糖は「筋肉→肝臓→脂肪細胞」という優先順位で貯蔵の為に送り出され、取り込まれていきます。
筋肉や肝臓に取り込まれたブドウ糖は筋肉を動かす時のエネルギーや、血糖値が低い時の調整の為に貯蔵されます。
そして脂肪細胞に取り込まれたブドウ糖もまた、空腹時や運動時のエネルギー源のために脂肪として貯蔵されます。
ここで問題になってくるのがインスリンがブドウ糖の貯蔵をする際、どこにブドウ糖を送り込むかという点。
基本的には筋肉や肝臓に優先的にブドウ糖を送り込む働きを持ちますが、既にこの二つに十分な蓄えがある場合、インスリンは脂肪細胞にブドウ糖を送り込みます。
つまりブドウ糖が過剰に吸収されてしまうと、巡り巡って脂肪に変わってしまうのです。
これが血糖値の上昇しやすい高GI値の食品が太りやすいと言われる所以になります。
インスリンは悪い奴?
「ブドウ糖を脂肪に変えてしまう」という部分だけ見ると、インスリンっていうのはどうやら厄介者なんじゃないかと思われがちですが実はそれは大きな間違い。
前述のとおりインスリンのおかげで身体中にはエネルギーが送り出され、またその働きをもって血糖値を下げるという働きもあるので、これが正常に働いていないと糖尿病などの危険性が高まってしまうのです。
それだけではなく、インスリンが筋肉に作用する際には、筋肉の材料となるアミノ酸も一緒に送り込む働きがあるのです。
「筋肉を付けるにはタンパク質」というのは良く聞く話だと思いますが、そのタンパク質を筋肉と結びつけるという重要な役割を担っているのもまたインスリンなのです。
つまり重要なのは、インスリンを出ないように抑えつけてしまうことではなく、いかに上手に出しながら付き合っていくかということなのです。
インスリンとGI値
インスリンとの付き合い方としてはまず、日常的に適度な運動を行うということが挙げられます。
言い方を変えれば、筋肉や肝臓に貯蔵されたエネルギー源をしっかりと使ってあげるということです。
そうすることで、インスリンが筋肉や肝臓にブドウ糖を送り込みやすくなります。
そしてその上で、GI値の低い食品を摂るということが重要になってきます。
いくら筋肉や肝臓にブドウ糖を蓄えるゆとりがあっても、高GI値の食品ではそのゆとりをも凌駕し脂肪へと変わってしまう場合があります。
インスリンの有用な働きを活かし、なるべく脂肪へと変化させない為にも、血糖値が上昇しづらい低GI値の食品を摂ると良いでしょう。
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これらの事から、GI値は単に太りやすい食べ物や太りにくい食べ物の目安というだけではなく、インスリンを上手にコントロールするための指標とも言えますね。
健康やトレーニングの頑張りを活かす為にも、正しい知識を持ってGI値を日常の食生活に用いていきましょう!