筋力トレーニングというとダンベルやバーベルを持ち上げて、戻して、また持ち上げて…というイメージがあると思います。
筋力というのは筋肉がギュっと収縮する時に発生するエネルギーの事を指しますが、これによって筋肉が縮まって、重りが持ち上がります。💪

ところが実はこれと対になって、重りを降ろすときには筋肉が「伸びながら収縮」していることをご存知でしょうか?

「伸びながら収縮…?🤔

筋肉が力を発揮する動き、【筋収縮にはこの2つ以外にも「長さが変わらず収縮する」という不思議なものまであります。

🏋️‍♀️『筋収縮を支配するものが筋トレを制す。』🏋️‍♂️
今日は、そう言っても過言ではない3種類の筋収縮についてと、筋肥大目的のトレーニングにおいての意識の仕方を解説していきます!
今回は少し難しい内容の為、細かく丁寧に解説を行っていますが、読むのが面倒な方は「まとめ」でわかりやすく簡潔にしているのでそちらだけでも見ていって下さいね。🤯

ザ・筋収縮! 短縮性筋収縮でウェイトをブチ上げろ!

まず1つ目は筋肉が縮みながら収縮し力を発揮している状態、短縮性筋収縮(コンセントリック収縮)】です。
簡単に言うと「重りを持ち上げる/引き寄せる時の筋収縮」になります。🏋️‍♂️
例えば自分が最大で100kgの重量分だけ筋力を発揮できる時、重量を80kgに設定します。
この場合、筋収縮の力が重量に勝っているので文字通り”収縮”が発生し関節が動き、重りが動きます。
筋力トレーニングにおいてはこの動きをポジティブ動作と呼びます。👍

筋トレにおいて最も意識されやすいのがこの短縮性筋収縮で、運動や動作になれるためにとても重要な筋収縮です。
しかし意外なことにこの筋収縮自体には、筋肥大に対しての効率的な効果は期待できないとされています。😭

そこで筋肥大において重要になってくるのが次の二つ目の筋収縮です。

ここが耐え時… 伸張性筋収縮で負荷に抗って筋肥大!

二つ目は冒頭でも触れた筋肉が伸びながら収縮し力を発揮している状態、伸張性筋収縮(エキセントリック収縮)】です。
「伸びながら収縮」と言うと何やら矛盾しているような表現に感じますよね。😩
これは先ほどの一つ目の筋収縮と合わせて、「ゆっくりと重りを降ろす/戻す時の筋収縮」と覚えると良いでしょう!
「重りを降ろす時に筋力なんて使わないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。
関節や身体への急激な負担を抑える為、私たちは無意識のうちにブレーキを掛けながら重りを降ろしています。
そしてこの「ブレーキ」こそが伸張性筋収縮なのです。⛔
また、意図的にゆっくりと耐えながら重りを降ろしたり戻したりすることによってもこのブレーキは引き起こすことが出来ます。
筋力トレーニングではネガティブ動作と呼ばれるこの動きですが、この筋収縮の強みは短縮性筋収縮よりも1.5倍以上重い重量を扱う事が出来るという点にあります。😲
先ほどの例にならうと、筋力100kgに対して重量120kgは挙上こそできないものの、耐えながら降ろすことが出来る重量ではあるのです。

「持ち上げる事は出来なくても、ゆっくり耐えながら降ろす事は出来る」という重量設定は筋肉に強烈な負荷をかける事が出来ます。
その結果強い筋肉痛が起きやすい事から、筋肥大に極めて効果的な筋収縮とされています。✨

「安心してください、力、はいってますよ」 等尺性筋収縮で体幹強化!

そして最後の三つ目はちょっと特殊な、筋肉の長さが変わらないまま収縮し力を発揮している状態、等尺性筋収縮(アイソメトリック収縮)】です。
これも「長さが変わらない」のに「収縮」しているという矛盾じみた表現ですよね。
これは簡単に言うと、「力を入れても重りが動かない時の筋収縮」の事を指します。🔒
例えば壁を手で思いっきり押し出そうと踏ん張っても、壁は動きませんし、腕の筋肉もそれ以上伸び縮みしませんよね。
しかしながらこの時、筋収縮は間違いなくおきており、自分が出せる範囲で最大の筋力が発揮されています。
またその他にも空気椅子やプランク、ヨガのポーズなど姿勢維持に使われるのもこの等尺性筋収縮になります。🧘‍♂️

自らの最大筋力以上の負荷が掛からない為、怪我や故障のリスクが極めて少なく、リハビリ体幹強化のトレーニングなどに活用されることが多いです。
その反面、筋肉の伸び縮みが重要視される筋肥大向けのトレーニングにおいては意識的に取り入れるのは難しいとされています。🐌

それぞれの筋収縮を意識して、効率的なトレーニングを行おう!

筋肥大を目的としたトレーニングでは、いかに筋肉を最大限に伸び縮みさせるかが重要となってきます。🔄
そのことから前述した三種類の筋収縮の内の、短縮性筋収縮伸張性筋収縮がとても重要になってきます。
ダンベルカールという種目を例にそれぞれの筋収縮をどのように意識すべきか見ていきましょう。

まずポジティブ動作の際は短縮性筋収縮を意識し、出来るだけ素早く爆発的にダンベルを挙上します。💨
「速度」という負荷を加える事で、挙上可能な範囲内の重量であってもなるべく自らに適した負荷を与えられるよう調整する目的があります。
また瞬発的な筋力を発揮することで、筋肥大に有効とされる速筋を刺激する狙いもあります。

ネガティブ動作の際は伸張性筋収縮を意識し、ゆっくりと重量に耐えながらダンベルを降ろしていきます。💦
この時はダンベルの重さこそかわらないものの、意図的に筋力を「重量<ダンベル」の状態に調整している状態になります。
その為、少ない筋繊維で重量を全て支えるような形になり、伸張性筋収縮の持つ筋肥大効果を効率的に狙っていくことが可能になります。

これらの動作を繰り返し、ポジティブ動作が行えなくなる状態「ポジティブ・フェイラー」への到達を目指します。✅
(ここから必要に応じて反動や補助を利用し、伸張性筋収縮を活用した「ネガティブ・トレーニング」へと展開していく事も出来ます。)

まとめ

 


【3種類の筋収縮とは】
・重りを持ち上げる/引き寄せる時の状態 = 短縮性筋収縮(コンセントリック収縮) = ポジティブ動作
・ゆっくりと重りを降ろす/戻す時の状態 = 伸張性筋収縮(エキセントリック収縮) = ネガティブ動作
力を発揮しても重りが動かない時の状態 = 等尺性筋収縮(アイソメトリック収縮)

【筋肥大目的のトレーニングにおいての筋収縮の意識(ダンベルカールの場合)】
・ダンベルを持ち上げる時は、素早く爆発的に行う。(短縮性筋収縮を意識する)
ゆっくりと重量に耐えながら、ダンベルを降ろしていく。(伸張性筋収縮を意識する)
・これらの動作をダンベルが持ち上がらなくなるまで繰り返し行う。(ポジティブ・フェイラー)


…ちなみにこれはあくまで、筋肥大目的のトレーニングの場合です。💡
運動能力の向上やパワーリフティングを目的とする場合では、ネガティブ動作を極力行わず、とにかくポジティブ動作を意識したトレーニングが行われることもあります。
ネガティブ動作に伴う伸張性筋収縮によって引き起こされる強い筋肉痛を避ける事で、トレーニング頻度を効率的に増やすことが出来るわけですね。

また余談ですが、実は筋収縮には4種類目の等速性筋収縮(アイソキネティック筋収縮)】というものが存在します。
これは自分一人だけではなかなか引き起こすことの出来ない筋収縮として、こういった話題の時にあまり語られることがありません。

では、補助者がついた二人でのトレーニングなら…?😎

気になる方は是非調べてみて下さいね!
 

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